2.Linuxのインストール


2.1 システム管理概要

2.1.1 システム管理の概要
システム管理の業務とは、ユーザに安定したシステムのサービスを提供することです。
作業としては、導入・運用・保守・故障対応など多岐にわたり主に次のような作業があります。
・システムのインストール

   システム構成の決定、OSのインストール、必要なソフトウェアのインストール、アップデート

・パッケージ(ソフトウェア)の追加と削除
・システムの起動と停止
・周辺機器の追加
・ユーザの登録
・ネットワークの設定/管理
・システムの運用/保守

   システム状態の監視、故障発生時の対応

・バックアップとリストア
2.1.2 システム管理者
Linux(Unix)におけるシステム管理者は、「 root 」というユーザ名でインストール直後からシステムに登録されています。
この root ユーザは「スーパーユーザ」とも呼ばれ、システムに対して全ての権限を持っています。
root ユーザによってシステムの設定・変更などを行います。

root ユーザはシステム内での制限が無いため、操作者の不注意によってシステムを破壊する可能性があります。そのため、次のような点に注意して操作する必要があります。
★root でのログインは行わないようにする。
  (一般ユーザから root ユーザに変更して操作するように・・・・・)

★メタキャラクタ ( * や ? etc ) 等は使用しないようにする。

 緊急時などでどうしても使わなければならない時は、ls -l とかで絞り込んで、メタキャラの指定が正しいことを確認してから rm なり cp なり mv を実行するようにする。

★作業記録を作成しておく。

2.2 インストール

一般的な内容で記述しています。事前に導入するディストリビューションで調べておきましょう。
2.2.1 インストールの概要
Linuxをインストールするには、インストールCDをセットしてCD-ROMからインストーラを起動し、指示に従って必要な項目の入力を行います。設定する項目として代表的なものを以下に記載します。
なお、下記項目の順番は各ディストリビューションによって違っているようなので、事前に調べておくとよいでしょう。
・使用言語
・キーボード、マウスの設定
・インストールの種類の選択
・ハードディスクのパーティション設定
・ブートローダ(LILO, grub)の設定
・ネットワーク関連(ホスト名、IPアドレス、ディフォルトゲートウェイ、サブネットマスク等)の設定
・セキュリティレベルの設定
・タイムゾーンの設定
・インストールするパッケージの選択
・Xの設定・・・・・X Window System を使用する場合
CD-ROMブートに対応していないPCにインストールする場合は、ブートFDを作成してそれから、起動させます。
(PC-98x1シリーズはCD-ROMブートに対応していないので、常にブートFDからのインストールです)
2.2.2 使用言語の選択
インストール作業中に表示されるメッセージの言語を選択します。(Japanese, English)

PC-98x1シリーズでは FreeBSD, Plamo Linux ともに日本語ですね。
2.2.3 キーボードの選択
DOS/Vだと・・・・・モデル:Japanese 106-key  レイアウト:Japanese とかですね。
2.2.4 マウスの選択
ディフォルト(PS2)とかですね。最近だとUSBなんかもあるのでしょうね。
PC-98x1シリーズだと「98バスマウス」かな?
2.2.5 インストールの種類
インストールの種類を選択します。システムの使用目的にあわせて選択すればよいでしょう。
自分でパッケージを選択する場合は「カスタム」を選択します。
初めての時は、ディスクとメモリ容量が許すならフルインストールして暫らく動かし、感じをつかんだら使用目的を明確にして再度インストールしてもよいと思います。
2.2.5 ディスクパーティションの設定
ディスクのパーティション設定の方法を選択します。設定を自動で行う場合は「自動設定」を選択します。それなりに設定してくれますが、あまりお勧めしません。
手動で設定する場合は「 Disk Druid 」(ディストリによる?)か「 fdisk 」を選択します。

この場合、使用できるディスク容量とシステムの使用目的に応じて、パーティション分割を行う領域、パーティションごとのサイズを事前に決定しておきましょう。領域設定の仕方によっては、再度インストールが必要になります。

fdiskで領域を確保する時は、プライマリパーティションは4つまでしか作成できないことに注意しましょう。
(PC-98x1シリーズはちーっと違っていますね!)
2.2.6 フォーマットするパーティションの選択
パーティション設定後に、フォーマットするパーティションを選択します。通常は確保したパーティションを全てフォーマットします。
この際、必要に応じて「フォーマット中に不良ブロックをチェック」するオプションを選択します。
しかし、この作業は非常に時間がかかるので、ディスクを信頼する場合は「不良ブロックのチェックをしない」でいきましょう。
2.2.8 ブートローダの設定
Linuxを起動するためのブートプログラムである「 LILO 」または「 grub 」の設定を行います。
通常、ブートローダは「 MBR (Master Boot Recorder) 」にインストールしますが、他のOSと共存しておりLinuxがメインのOSでない時は、 /boot パーティションの最初のセクタにインストールします。
または、インストールの過程で作成する「起動ディスク」から起動させることもあります。
2.2.9 ネットワークの設定
DHCP使用を「無し」にした場合は、各設定項目を手動で設定します。
なお、サーバー用途として使う場合は全て手動で固定IPで設定しておきましょう。
設定項目は・・・・「DHCPの有無」、「IPアドレス」、「ネットマスク」、「ネットワークアドレス」、「ブロードキャストアドレス」、「ホスト名」、「ディフォルトゲートウェイ」、「DNSサーバーのアドレス」などです。
2.2.10 ファイアウォールの設定
セキュリティレベルの設定を行います。
2.2.11 言語サポートの選択
インストール完了後にLinuxシステム上で使用する言語の設定を行います。
2.2.12 タイムゾーンの選択
タイムゾーンの設定を行います。ここはディフォルトのまま(アジア/東京)、か(Japan)を選択します。
要するに「日本」ですね。
2.2.13 アカウントの設定
「root 」のパスワードおよびユーザアカウントの設定を行います。他のユーザアカウントの設定はインストール後にも追加できます。
2.2.14 認証の設定
認証に関わる設定を行います。
「MD5パスワード」を有効にすると、有効なパスワードの長さが8文字から256文字になります。
「シャドウパスワード」を有効にすると、暗号化パスワードを一般ユーザにはアクセス権が無いファイルに保存します。
セキュリティ上はどちらも導入しておくことが望ましいでしょう。
その他、NIS、LDAP、Kerberosの各認証方法があるようです。
2.2.15 パッケージグループの選択
「カスタム」インストールする場合は、インストールするパッケージグループを選択します。
「個々のパッケージを選択する」を選択すると、より細かな選択ができるようになりますが、依存関係の問題が発生するのでよく理解できていないと難しいです。通常は選択しない方がよいでしょう。
パッケージについては、Redhat系で使われる rpm パッケージ(管理が容易)管理とSlackware系でinstallpkgなんかでユーザが管理する方法などがあります。
実際、rpm によるパッケージ管理は非常に楽でした。
Plamo でのパッケージ管理(pkgtool or installpkg)は、これから学習したいと思います。
2.2.16 Xの設定
X Window System をインストールする時は、Xの設定を行います。
最近のディストリビューションはこの辺自動でやってくれるようです。

設定項目としては、「ビデオカード」、「ビデオRAM」、「モニタ」、「色数、画面の解像度」、「ログイン(テキスト・グラフィカル)の種類」などがあります。

設定後は「設定のテスト」により画面が正しく表示されることを確認します。
以上、一連の作業が終了すると、実際にファイルのコピーが行われ、システムの再起動がかかります。
CD-ROMブート可能なPCの場合は、再起動前にCD-ROMを抜いておきます。
CD-ROMブート不可なPCの場合は、再起動前にブートFDを抜いておきます。
再起動後は「 root 」でログインします。

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