作成開始 : 平成29年06月04日(日) 最終更新 : 平成29年11月18日(土)

所得税の基礎知識


会社勤めの時は、年末調整で全て会社任せでした。あえて言えば医療費控除の申告くらいでした。
今年の分からは全て自分でやる必要になるので、いまさらですが勉強してみます。


1.所得税の概要

(1)「個人の所得にかかる税金」です。
(2)1年間(暦年 1月 1日〜12月31日)に得た個人の所得に対して課税されます。
  (住民税の場合は、所得の計算方法は同じですが、前年中の所得の金額を基準として1年遅れで計算されます。)
(3)税金を納める人と実質的に負担する人が同じ「直接税」です。
(4)国が課税権、徴収権を持つ「国税」にあたります。
(5)一人一人に課税される「個人単位課税」で、(例えば)夫婦二人に所得があれば、それぞれの所得に対して税額計算をして納税しなければいけません。
(6)(一般的には)1年間の「総所得金額」から「基礎控除」「配偶者控除」「扶養控除」等、個人の事情に応じた色々な「所得控除」を差し引いた「課税総所得金額」をもとに計算します。
(7)「課税総所得金額」が上がれば上がるほど段階的に税率が高くなる「超過累進税率」が採用されています。
他の税金と同様、社会保障や教育の充実、科学技術の振興、道路の整備等のために、国や地方公共団体が行う活動の財源になっています。
■税法上での所得の種類
利子所得 公社債や預貯金の利子、貸付信託や公社債投信の収益の分配などから生じる所得をいいます。
配当所得 株式の配当、証券投資信託の収益の分配、出資の剰余金の分配などから生じる所得をいいます。
不動産所得 不動産、土地の上に存する権利、船舶、航空機の貸付けなどから生じる所得をいいます。
事業所得 商業・工業・農業・漁業・自由業など、事業から生じる所得をいいます。
給与所得 給料・賞与などの所得をいいます。
退職所得 退職によって受ける所得をいいます。
山林所得 5年を超えて所有していた山林を伐採して売ったり、又は立木のまま売った所得をいいます。
譲渡所得 事業用の固定資産や家庭用の資産などを売った所得をいいます。
一時所得 クイズの賞金や満期保険金などの所得をいいます。
雑所得 年金や恩給などの公的年金等、非営業用貸金の利子、原稿料や印税、講演料などのように、他の9種類の所得のどれにも属さない所得をいいます。
■税法上での所得の種類と所得金額の計算方法
所得の 種類 所得の内容 所得金額の計算方法
利子所得 公社債・預貯金等の利子等による所得 収入金額=利子所得の金額
配当所得 株式・出資の配当等による所得 収入金額−負債利子
=配当所得の金額
不動産 所得 地代・家賃・権利金等の貸付による所得 収入金額−必要経費
=不動産所得の金額
事業所得 商工業、農業、自由業等の事業から生じる所得 収入金額−必要経費
=事業所得の金額
給与所得 サラリーマンの給料等雇用主からの給料、賞与等による所得 収入金額−給与所得控除額
=給与所得の金額
退職所得 退職金・一時恩給等による所得 (収入金額−退職所得控除額)× 1/2
=退職所得の金額
山林所得 保有期間が5年超の山林の伐採または山林を売った所得 収入金額−必要経費−(特別控除額)*1
=山林所得の金額
譲渡所得 総合課税 ゴルフ会員権などを売った場合 所有期間
5年以内
(総収入金額)−(取得費+譲渡費用)
−(特別控除額) *1
所有期間
5年超
{(総収入金額)−(取得費+譲渡費用)
−(特別控除額) *1}× 1/2
分離課税 土地や建物などを売った場合 所有期間
5年以内
(総収入金額)−(取得費+譲渡費用)
−(特別控除額) *2
所有期間
5年超
(総収入金額)−(取得費+譲渡費用)
−(特別控除額) *2
株式などを売った場合 申告分離課税 (総収入金額)−(取得費+譲渡費用)
一時所得 懸賞金や保険料負担者と受取人が同一の生命保険料の満期金等一時的な所得 {収入金額−必要経費−(特別控除額)*1
× 1/2=一時所得の金額
雑所得 公的年金・原稿料等、 他の所得に当てはまらない所得 次の 1.と 2.の合計額
  1. 公的年金等の収入金額
    −公的年金等控除額
  2. 1.を除く雑所得の収入金額
    −必要経費
*1 特別控除額は、50万円を限度とします。
*2 特別控除額は、収用、居住用財産の譲渡に限ります。
■所得税の課税方式
総合課税   確定申告の対象(一般のサラリーマンは年末調整ありのため、原則確定申告は不要)
不動産所得、事業所得、給与所得、一時所得、雑所得、土地・建物・株式以外の譲渡所得
各種所得の金額を合計し、所得控除を差し引いた金額に「超過累進税率」を乗じて税額を求める。 
分離課税  申告分離課税  確定申告の対象
山林所得、土地建物等の譲渡による譲渡所得、株式等の譲渡所得等
他の所得とは総合せずに、申告された特定の所得だけに特別に決められた税率を適用して税額を算出する課税方式。
分離課税されることにより、他の所得の多賓に関係なく単独で税額が算出されます。

退職手当等の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」の提出がなかった人については、退職手当等の支払金額の20.42%が源泉徴収されますが、退職所得の受給者本人が確定申告を行うことにより所得税額及び復興特別所得税額の精算をします。

※退職手当等の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人については、退職手当等の支払者が所得税額及び復興特別所得税額を計算し、その退職手当等の支払の際、正規の所得税等の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。
  ↓
自分は退職時に「退職所得の受給に関する申告書」(仙台中税務署長あて)を提出しているので、H29分確定申告は不要ですね。
源泉分離課税  確定申告不要
利子・配当収入、割引債の償還差益、金融類似商品の利差益等がこれにあたります。
一定の税率を乗じて計算した税額を、所得の受取時に天引きすることで、その所得に対する課税が完了する課税方法
■サラリーマンの場合・・・・源泉徴収と年末調整
※本人が申告する「確定申告」、会社が代わりに収める「源泉徴収」
申告の必要がある人は、その年の所得金額を計算して、翌年の申告期限(2月16日〜3月15日まで)に確定申告書を提出します。
・・・が、一般のサラリーマンの場合は、会社が代わりに所得税を納める「源泉徴収制度」をとっています。
給料や賞与などを従業員ごとに支払う際、所定の税額を天引きすることが義務付けられており、源泉徴収した税金は原則として翌月10日までに税務署に納付します。
ただし、「1年間の給与総額に対する所得税額 = 毎月の給与等から源泉徴収された所得税額の1年間の合計」とは限りません
年の途中で結婚や出産などによって扶養家族の数が変わったり、配偶者特別控除、生命保険料控除などは年末に一度にまとめて計算することになっているためです。
そのため、会社は毎年12月に社員のその年に納めるべき税額を正しく計算して過不足を精算し、源泉徴収された税額が少なければその分を徴収、多ければ還付します。
これが「年末調整」です。
    ↓
なるほど、そういうことだったんですね。いまさらですが納得です。

よって、サラリーマンの場合、「年末調整」が実質的な確定申告の役割を果たしているので、次の場合を除いて確定申告の必要はありません。

・給与の収入金額が 2,000万円 を超える人(所得金額ではありません)
・給与所得や退職所得以外の所得の合計金額が20万円を超える人
・給与を2ヵ所以上からもらっている人
会社勤めでない人の場合は、「年末調整」をしてくれる会社がないので、個人で「確定申告」をすることになります。
■所得税計算の流れ
基本は、 収入金額 - 必要経費 = 所得金額 です。
ステップ1
「総所得金額」を算出 
・その所得が課税所得か非課税所得か区分する。
・課税所得であれば、どの所得(10種類)に該当するかを分類、各所得ごとに各々の方法で「所得金額」を求める。
・分離課税扱いの所得を除き、計算した各種「所得金額」を合算し「総所得金額」を求める。
 合算のとき、赤字所得があれば、一定の順序にしたがって損益通算(後述)を行ったうえで総所得金額を求める。 
ステップ2
「課税総所得金額」を算出
総所得金額 - 所得控除(14種類 *1) = 課税総所得金額
ステップ3
「算出税額」を算出
 
課税所得金額 × 所得税率(超過累進税率 後述) = 算出税額
ステップ4
「所得税額」を算出
算出税額 - 税額控除 = 所得税額

※住宅ローン控除などの税額控除を受けられる場合は、算出税額からそれぞれの控除額を差し引きます。
ステップ5
「最終納付税額」を算出
所得税額 - 源泉徴収税額(給与や配当、原稿料等の支払いを受けた時) = 申告納税額
申告納税額 - 予定納税額(予定納税者のみ) = 最終的な納付税額
*1 生活面の所得税の負担を軽減する目的から以下控除が設けられています。

  ・人的所得控除
   障害者控除、寡婦(寡夫)控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除
  ・物的所得
   雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄付金控除
サラリーマンの場合は以下のようになります。(なるほど、こういうことだったんですね!)
ステップ1
「総所得金額(給与所得金額)」を算出 
通常は一ケ所からの給与所得のみであることから、会社が行う年末調整で以下の所得税計算が行われ、税額が精算されます。
確定申告が必要な場合は、年末調整とは別に各自で申告を行う。

・収入金額(源泉徴収前の金額) - 給与所得控除額 = 給与所得金額 
ステップ2
「課税総所得金額」を算出
総所得金額 - 所得控除 = 課税総所得金額

・雑損控除、医療費控除、寄付金控除、小規模企業共済等掛金控除を除く
ステップ3
「算出税額」を算出
 
課税所得金額 × 所得税率(超過累進税率 後述) = 算出税額
ステップ4
「所得税額」を算出
算出税額 - 税額控除 = 所得税額
ステップ5
「最終納付税額(年末調整税額)」を算出
所得税額 - 源泉徴収税額 = 年末調整税額

会社で税額の精算を行うため、納税・還付の手続きは不要
※平成25年から復興特別所得税が創設されています。
東日本大震災の復興債の償還財源確保のためです。
また、個人住民税の均等割りも引き上げられました。
(1)復興特別所得税
平成25年から平成49年まで25年間の各年分の所得税の額に「2.1%」を乗じた金額が、追加的に課税されています。

※課税の条件等については、お調べください。
(2)個人住民税の均等割りの引き上げ
均等割は所得金額にかかわらず定額で課税されます。
都道府県民税は1,500円、市町村民税3,500円です。

平成26年度から平成35年度までの間、地方自治体の防災対策に充てるため、都道府県民税・市町村税の均等割額にそれぞれ500円が加算されています。

※課税の条件等については、お調べください。
■超過累進税率について
課税総所得金額を階層に区分し、その区分ごとに対して税率を段階的に高くしています。
相続税、贈与税等でも採用されています。
(平成27年分以降)
所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円
例えば、課税される総所得金額が「400万円」の場合、「400万円×20% = 80万円」という単純計算になるわけではありません。
正しくは次の計算式で求められます。それぞれの範囲金額に対して計算され加算されます。
課税される所得金額195万円以下の分……税率5%
195万円すべて

課税される所得金額195万円超〜330万円以下の分……税率10%
330万円のうち、195万円を超えた135万円分

課税される所得金額330万円超〜695万円以下の分……税率20%
400万円のうち、330万円を超えた70万円分


(195万円×5%)+(135万円×10%)+(70万円×20%)=37万2,500円
このように、課税される所得金額を所得税率の区分ごとに計算するのはとても面倒です。そこで実務上は所得税の速算表を利用し、次のように計算します。
所得金額×課税される所得金額の範囲における税率 - 該当の控除額 = 所得税額

400万円×20%−42万7,500円=37万2,500円
課税される所得金額全体に該当する税率を乗じ、速算表の「控除額」を差し引くだけです。この控除額には、超過した部分に該当する税率を乗じる計算をするのと同じ効果があるため、面倒な計算は不要です。
■課税されない(非課税)所得について
所得税法では、原則としてすべての所得に対して課税することになっていますが、社会通念上課税に適さない場合や、税金の負担力が弱い人への配慮、または政策的な観点から所得税を課さない、非課税所得を定めています。
所得税法により非課税となるもの  ・心身や資産に損害を受けたときの、損害保険金、損害賠償金、見舞金、慰謝料など。
 例えば、事故でケガをしたときの障害保険金や、本人が営業している店舗が、火災にあったときの火災保険金は、非課税所得になります。
疾病により重度障害の状態になったことなどにより、生命保険契約または損害保険契約に基づき支払いを受ける高度障害保険金、高度障害給付金、入院費給付金等
・会社員の出張旅費や転勤旅費など
・会社員の通勤手当は、1月間に10万円までは非課税所得になりますが、10万円を超える分については、給与所得として課税されます。
・障害者の郵便貯金、銀行預金、公債(国債や地方債)の利子所得は、それぞれ元本350万円までは、非課税所得になります。最高で350万円×3=1,050万円までは課税されません。
 ただし、非課税のための必要書類を預貯金先に提出して、本人確認の手続きが必要です。
 *郵便貯金については、郵政公社が民営化された時点で廃止。
・オリンピック、ノーベル賞の賞金や、文化功労者年金など法律で定められたもの
相続・遺贈や贈与による所得(相続税、贈与税が課税されます)
租税特別措置法により非課税となるもの ・障害者等の少額公債の利子(特別マル優制度、元本350万円まで)
・財形貯蓄のうち、住宅財形貯蓄、年金財形貯蓄の利子は、2つの元本合計額が550万円までは、非課税所得になります。
 (生命保険等にかかわる財形年金貯蓄については385万円まで)
 例えば、住宅財形貯蓄の元本が400万円の場合、年金財形貯蓄の元本150万円までは、それらの利子は非課税になります。
 ただし、非課税のための必要書類を勤務先経由で、預け入れ先に提出する必要があります。
 なお財形貯蓄には、その他に一般財形貯蓄もありますが、これは元本に関係なく、利子に20%の所得税が課税されます。
・国などに一定の財産を寄与した場合の譲渡所得など
・公社債などの譲渡による所得(転換社債、ワラント付社債などを除く)
その他の法律により非課税となるもの 雇用保険の失業手当や、生活保護の給付
健康保健や国民健康保健の保険給付
・家具、衣服など生活用品の売却による所得。ただし、貴金属、書画、骨とう、宝石で、1個30万円以上のものは課税されます。
・遺族年金、遺族恩給、障害年金、増加恩給など。ただし、普通恩給や一時恩給には課税されます。 
・国内の宝くじや、サッカーくじ(toto)の当選金
■所得の種類によって税金は変わる
基本となる所得は、それを得た方法等により、税法上10種類に分けられます。
どんな所得であっても必ずこのどれかに当てはまります。
この所得区分によって課税される所得金額の計算方法や税金のかかり方が違ってきます。

また、所得は大きく分けると@資産によって生じた収益「資産所得(利子所得、配当所得、不動産所得、譲渡所得」、A労働の対価「給与所得、退職所得」、Bその他「一時所得、雑所得」の3つに分けられます。

2.給与所得と計算方法

給与所得とは、会社からサラリーマンなどが受け取る給料やボーナスなどを言います。残業手当や扶養手当などもこれに含まれます。
アルバイトやパートで得た収入も給与所得になります。
※サラリーマンの定義は「サラリーマン - Wikipedia」を参照ください。
課税対象となる給与所得を計算する基本式は以下のとおりです。
収入金額(源泉徴収される前の金額) - 給与所得控除額 = 給与所得金額
給与所得控除額は、給与の年収によって異なります。
( No.1410 給与所得控除 | 税について調べる | 国税庁 )

平成29年分 (給与所得控除額表)

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)
同一年分の給与所得の源泉徴収票が2枚以上ある場合には、それらの支払金額の合計額により上記の表を適用
例えば、年収600万円の人であれば、収入金額360万円超->660万円以下にあたり、給与所得控除額が「収入金額×20% + 54万円」で、給与所得は・・・・
「600万円 - (600万円 × 20% + 54万円) = 426万円」になります。
※給与所得控除とは、会社員の所得税や住民税を計算するときに、給与収入から差し引くことができる控除分をいいます。
 自営業者の場合は、商品の売上金額から仕入原価や販売経費などの、必要経費を差し引くことができます。
 会社員の場合は、この必要経費の代わりに、給与所得控除が認められているわけです。
なお、収入金額に応じた「給与所得控除後の給与等の金額」は、年収が660万円未満の場合、(一般的には)「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」で求めます。
給与等の収入金額が660万円以上の場合の給与所得の金額は、次の速算表を使用すると、簡単に算出することができます。

平成29年分 (給与所得の金額の計算)

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得の金額
6,600,000円未満 「所得税法別表第五」(e-Govへリンク)により給与所得の金額を求める
6,600,000円以上 10,000,000円未満 収入金額×90%-1,200,000円
10,000,000円以上 収入金額-2,200,000円

3.退職所得と計算方法

退職所得とは、退職手当、一時恩給など長年の勤労に対する報酬として支払われる一時的な収入をいいます。
給与所得と同じように、勤労所得に分類されています。
老後の蓄えや第二の人生の資金となることを前提にしていることから、退職所得控除額や他の所得と分離して課税される分離課税などによって、税負担が軽減されるよう工夫されています。
退職所得の基本式は以下のとおりです。
退職所得の金額 = (収入金額 - 退職所得控除額) × 1/2
※収入金額は、会社等から受け取る退職金、社会保険制度に基づく退職一時金等をいいます。
※退職所得控除額は以下で計算します。
退職所得控除額の計算の表
勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 40万円 × A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超 800万円 + 70万円 × (A - 20年)
(注)
1 障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、上記の方法により計算した額に、100万円を加えた金額となります。
2 前年以前に退職所得を受け取ったことがあるとき又は同一年中に2か所以上から退職金を受け取るときなどは、控除額の計算が異なることがあります。
 (例)1 勤続年数が10年2ヶ月の人の場合の退職所得控除額
      勤続年数は11年になります。
      (端数の2ヶ月は1年に切上げ)
      40万円×(勤続年数)=40万円×11年=440万円
   2 勤続年数が30年の人の場合の退職所得控除額
     800万円+70万円×(勤続年数-20年)=800万円+70万円×10年=1,500万円
退職金の支払いを受ける時までに「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払者(勤務する会社)に提出している場合は、源泉徴収だけで所得税の納税を済ませることができます。
提出しないと、20%の所得税が源泉徴収され、確定申告で精算することになります。
では、勤続年数15年の takaq さんの退職金 6,213,940円の場合について、課税される退職所得の金額と税額を計算してみましょう。
退職所得控除額 = 40万円 × 15年 = 600万円
退職所得の金額 = (6,213,940円 - 6,000,000円) × 1/2 = 106,970円 => 106,000円 (千円未満の端数切捨て)
税額

[所得税]

 「所得税の速算表」より、課税される所得金額が195万円以下なので、税率=5%、控除額 = 0円 です。

 所得税 = 106,000円 × 5% - 0円 = 5,300円 (1円未満切り捨て)
 復興特別所得税 = 5,300円 × 2.1% = 111円 (1円未満切り捨て)

 これらを足すので、源泉徴収票の源泉徴収税額は 5,300円 + 111円 = 5,411円

[住民税]

 税率として「所得割」(退職所得の金額に対し => 市民税 : 6% 県民税 : 4%)を適用します。なお、計算した税額の100円未満は切り捨てます)

 市民税 = 106,000円 × 6% = 6,360円 => 6,300円
 県民税 = 106,000円 × 4% = 4,240円 => 4,200円

4.一時所得と雑所得

一時所得と雑所得は、区分上「その他の所得」とされています。
(1)一時所得と計算
一時所得とは、職務や事業、譲渡などに関係しない一時的な収入のことをいいます。
a.懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)、競馬や競輪の払戻金
b.生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
 保険料の負担者と受取者によって税金の種類が違います。
 詳細は「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき(国税庁)」を参照
c.法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除きます。)
d.遺失物拾得(拾って取得した資産、拾った人が受け取ることができる報労金)者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
一時所得の金額は、次の算式のとおりです。

 総収入金額-収入を得るために支出した金額(注)-特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額

(注) 必要経費 : その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります。

総合課税の対象は算出額の 1/2 です。(各種所得を合計して税金を計算する時は、1/2 になります)
所得金額を 1/2 にしているのは、偶発的な所得であり担税力が弱く税負担を軽くするためです。特別控除の50万円を設けているのも、基本的に小さな金額のものは非課税にしましょうということからです。
(2)雑所得と計算
雑所得とは、他の9種類の所得のどれにも当てはまらない所得のことをいいます。
公的年金や非営業の賃金の利子、生命保険の年金、作家以外の人の原稿料や印税、講演料や放送謝金などがあげられます。

雑所得は「総合課税」で原則として確定申告が必要です。
ただし、サラリーマンの場合は、給与・退職所得以外の所得が 20万円 以下であれば確定申告は不要です。

雑所得の基本算出は以下のとおりで a と b の合計額です。
a.公的年金等の収入 - 公的年金等控除額 = 雑所得

b.公的年金以外等以外の収入 - 必要経費 = 雑所得

 ※雑所得は赤字であっても損益通算( No.2250 損益通算 | 所得税 | 国税庁 ) は認められません。
公的年金等は特別な取り扱いとなります。以下に解説します。
■年齢によって公的年金等控除額は異なります。( No.1600 公的年金等の課税関係 | 所得税 | 国税庁 )
公的年金等として雑所得になるものは以下のとおりです。

・国民年金
・厚生年金
・国家(地方)公務員共済などの社会保険
・共済に関する制度に基づく年金、恩給および過去の勤務実績に基づいて使用者から支給される年金
・・・・等々
公的年金等控除額は、年金を受け取っている納税者が、65歳未満か65歳以上かによって異なります。
公的年金等に係る雑所得の金額は、下記の表により算出します。
公的年金等に係る雑所得の金額=(a)×(b)-(c)
公的年金等に係る雑所得の速算表(平成17年分以後)
年金を受け取る人の年齢 (a)公的年金等の収入金額の合計額 (b)割合 (c)控除額
65歳未満 (公的年金等の収入金額の合計額が700,000円までの場合は所得金額はゼロとなります。)
700,001円から1,299,999円まで 100% 700,000円
1,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円
65歳以上 (公的年金等の収入金額の合計額が1,200,000円までの場合は、所得金額はゼロとなります。)
1,200,001円から3,299,999円まで 100% 1,200,000円
3,300,000円から4,099,999円まで 75% 375,000円
4,100,000円から7,699,999円まで 85% 785,000円
7,700,000円以上 95% 1,555,000円
例えば、厚生年金等の収入が 280万円 ある Aさん(現在66歳) の雑所得金額を計算してみましょう。

Aさんの公的年金等控除額は、年金収入が330万円未満ですので、控除額 120万円 で計算します。
Aさん の雑所得金額 = (280万円× 100%) - 120万円 = 160万円
実際の所得税は、これから基礎控除などを控除して算出されます。
例えば、妻が専業主婦の場合、夫が65歳未満であれば146万円(基礎控除 : 38万円 + 配偶者控除 : 38万円 + 公的年金等控除 :70万円)まで、65歳以上であれば196万円までは税金がかかりません。
一定の金額を超える公的年金や生命保険の年金を受け取ったときは、所得税が源泉徴収されているため、確定申告で精算することになります。

平成23年分以後は、その年において公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告の必要はありません
(注1) この場合であっても、例えば、医療費控除による所得税の還付を受けるための確定申告をすることができます
(注2) 公的年金等以外の所得金額が20万円以下で確定申告の必要がない場合であっても、住民税の申告が必要な場合があります。

5.資産所得

資産所得とは、利子や配当、不動産の売買、譲渡等によって発生した所得をいいます。
超低金利となった今、個人個人が資産運用の責任を持つ時代となったことから、ぜひ知っておきたい税の知識です。
(1)利子所得と計算 (No.1310 利息を受け取った時(利子所得) | 所得税 | 国税庁)
利子所得とは、金融機関の預貯金、国や会社などが発行する公社債、社内預金(役員の社内預金の利子は雑所得です)の利子、合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。
雑所得の基本算式は・・・・
収入金額 (源泉徴収される前の金額) = 所得金額
・・・です。つまり、利子所得には必要経費は認められていないということです。
利子所得は、原則として、その支払を受ける際、利子所得の金額に一律15.315%(他に地方税5%)の税率を乗じて算出した所得税・復興特別所得税が源泉徴収され、これにより納税が完結する源泉分離課税の対象とされています。
 なお、平成28年1月1日以後に支払いを受けるべき特定公社債等(※)の利子等については、その支払を受ける際に税率15.315%(他に地方税5%)により所得税・復興特別所得税が源泉徴収され、税率15%(他に地方税5%)の申告分離課税の対象とされますが、確定申告しないことも選択できます。
※ 特定公社債とは、国債、地方債、外国国債、公募公社債、上場公社債、平成27年12月31日以前に発行された公社債(同族会社が発行した社債を除きます。)などの一定の公社債や公社債投資信託などをいいます。
(2)配当所得と計算 (No.1330 配当金を受け取った時(配当所得) | 所得税 | 国税庁)
配当所得とは、法人から受け取る利益の配当等をいいます。
具体的な例としては、上場株式の配当、非上場株式の配当、建設利息、剰余金の分配、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外の投資信託の収益の分配、基金利息(相互保険会社の基金に対する利息)などが該当します。
配当所得の基本算式は・・・・
配当による収入金額 - 負債利子 = 配当所得の金額
※負債利子

 株式の購入資金が借入金(借金して買った)だった場合、配当収入からその支払利息分を差し引いた額を配当所得とするということです。
 ただし、赤字が出ても他の所得との損益通算はできません。
配当所得に関する課税は原則として総合課税ですが、大口(発行済株式の3%以上保有)以外の上場株式等一定のものについては配当金の支払い時に原則 20.315% (所得税:15.315%、住民税 : 5%)が源泉徴収(確定申告不要)されることも選択できます。

※1 「大口株主」とは、発行済株式の総数等の3%以上に相当する数または金額の株式等を保有する個人株主。
※2 「少額配当等」とは、1銘柄につき1回の配当金額が、10万円に配当計算期間の月数(最高12ヵ月)を乗じてこれを12で除して計算した金額以下のもの。
■NISA (少額投資非課税制度) 参考 : NISA (ニーサ) とは
投資を通じて家計の資産形成を促進する制度として、2014年1月から「NISA(ニーサ)〔=少額投資非課税制度〕」がスタートしました。
 上場株式、株式投資信託等の配当所得、譲渡所得にかかる税率は、2013年(平成25年)12月末で軽減税率10.147% (復興特別所得税を含む)が終了し、2014年(平成26年)1月から本来の税率 20.315% (復興特別所得税を含む)に戻りました。
これに伴って NISA がスタートしました。
a.対象となるのは、新規に投資をする上場株式、株式投資信託で、配当所得や譲渡所得が非課税になります。
b.投資上限額は毎年新規の投資額で 120万円 以内 (2015年[平成27年]12月までは 100万円)。投資が開始できるのは 2014年 から 2023年 の10年間です。
c.非課税期間は5年間ですが、5年終了後に翌年の非課税枠に時価で120万円まで移管できます。
 途中で売った場合は非課税枠を使ったとみなされ、再利用することはできません。
d.投資総額は最大 600万円 (毎年120万円×5年)です。これ以上は非課税となりません。
e.利用できるのは、その年の1月1日現在、満20歳以上の日本に住んでいる人です。
<NISAの早見表>
非課税対象 株や投資信託の値上がり益や配当金(分配金)
非課税投資枠 毎年120万円まで(翌年への繰り越しはできません)
期間 5年間(売却しても非課税枠の再利用はできません)
投資総額 最大600万円まで
制度継続期間 2014年から2023年までの10年間
(毎年120万円ずつ非課税枠の設定ができる)
NISA口座資格者 20歳以上
■つみたてNISA 参考 : つみたてNISA(積立NISA)とは?
2018年1月から「つみたてNISA(積立NISA)」(口座開設は2017年10月からスタート!)制度が始まります。
つみたてNISAは、少額からの積立・分散投資を目的に作られた、NISAの新制度です。現状では、現行NISAとの併用はできないので、どちらかを選ぶことになります(将来的には、つみたてNISAへの一本化も検討しているようです)。
<NISAの早見表>
項目 つみたてNISA 現行NISA
非課税対象 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(非毎月分配型、信託期間が無期限または20年以上であること等) 株や投資信託の値上がり益や配当金(分配金)
非課税投資枠 毎年40万円まで
(翌年への繰り越しはできません)
毎年120万円まで
(翌年への繰り越しはできません)
期間 20年間
(売却しても非課税枠の再利用はできません)
5年間
(売却しても非課税枠の再利用はできません)
投資総額 最大800万円まで 最大600万円まで
制度継続期間 2018年から2037年までの20年間 2014年から2023年までの10年間
NISA口座資格者 20歳以上 20歳以上
(3)不動産所得と計算 (No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得) | 所得税 | 国税庁)
不動産所得(ふどうさんしょとく)とは、所得税における課税所得の区分の一つであって、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得をいいます。
例えば、アパートや駐車場からの収入、広告のために家屋や屋上を貸すことによる収入、借地権の承諾料・更新料などです。
不動産所得の基本算式は以下のとおりです。
総収入金額 - 必要経費 = 不動産所得
※必要経費としては・・・・
賃貸建物等の原価償却費、賃貸建物取得のための借入金の支払利息、管理費、固定資産税、火災保険料等があります。
不動産所得は、総合課税となり、不動産所得で生じた赤字は原則として損益通算できます。
ただし、不動産の賃貸業務において不動産所得の赤字の中に、土地取得のための借入金の支払利息がある場合は、不動産所得を算出する際の費用にはなりますが、他の所得と損益通算はできません。
(4)譲渡所得と計算 (No.1460 譲渡所得(土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したとき | 所得税 | 国税庁) ) No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき) | 所得税 | 国税庁)
譲渡所得とは、資産の譲渡に伴う所得をいいます。簡単にいうと資産の値上がりによって得た利益です。
売却益が得られる資産としては、不動産、株式、ゴルフ会員権等があります。
ただし、不動産と株式の譲渡については、分離課税のため独自の扱いが定められていることから、ここでは総合課税の扱いとなるゴルフ会員権、絵画、骨とう品等の一般動産に関して記載します。
譲渡所得の基本算式は以下のとおりです。
総収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額(50万円) = 譲渡所得
さらに、所有期間が5年以下の譲渡の場合を「短期譲渡所得」、所有期間が5年超の場合を「長期譲渡所得」といいます。
「長期譲渡所得」の場合は2/1が課税対象となります。
[総収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額(50万円) ] × 1/2 = 長期譲渡所得の課税対象
譲渡所得に対する課税は総合課税で、譲渡した時に損失が発生したときは損益通算の課税対象となります。
譲渡所得のうち、土地、建物及び株式等以外の資産を譲渡したときの譲渡所得の金額は、次のように計算します。
短期譲渡所得の総収入金額-(取得費譲渡費用)+長期譲渡所得の総収入金額-(取得費譲渡費用)=譲渡益
譲渡益-特別控除額(最高50万円)=譲渡所得の金額
(5)株式譲渡課税は申告分離課税 (No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税))
株式譲渡にかかる所得は申告分離課税です。
税率は以下のとおりです。
区 分 税 率
上場株式等に係る譲渡所得等(譲渡益) 20%(所得税15%、住民税5%)
一般株式等に係る譲渡所得等(譲渡益) 20%(所得税15%、住民税5%)
(注) 平成25年から平成49年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付することになります。
上場株式等の配当金や株式投資信託の分配金と、上場株式等の配当金や株式投資信託の譲渡損失は損益通算ができます。
ただし、損益通算を行う場合は原則確定申告が必要になります。
また、上場株式等の譲渡については、一般の口座で取引する場合と特定口座で取引する場合とで課税方法が異なります。
特定口座

上場株式等の売却益にかかる課税方法が申告分離課税方式に統一されたため、原則確定申告が必要になりましたが、それに伴い納税者の事務処理負担を軽減するために、証券会社が株式の取得・売却にかかる管理を行うための口座です。 
上場株式等の取得・売却の計算は特定口座年間取引報告書として証券会社から送られてきます。
特定口座で取引する場合、簡易申告口座とするか源泉徴収口座とするかを選択します。(この選択は毎年行う)
簡易申告口座の場合の場合、特定口座年間報告書にもとづいて簡易な申告を行います。
源泉徴収口座の場合、そのその所得に対して源泉徴収を選択していることから、確定申告は不要となります。
一般の口座で取引する場合は納税者自ら年間の株式譲渡損益を計算し確定申告を行います。
■上場株式等の譲渡損失の繰越控除 (No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除)
平成15年1月1日以降に生じた上場株式等の譲渡損失は、損失が発生した年の翌年以降3年間、株式等にかかる譲渡・配当所得等から控除できます。
(6)土地や建物を売った時(No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき) | 所得税 | 国税庁)
土地や建物を売った時の譲渡所得に対する税金は分離課税となり、株式譲渡課税と同じように他の所得と区別して計算します。
売った土地や建物をどのくらいの期間所有していたかによって「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に区分されます。
売った年の1月1日時点で、所有期間が5年超なら「長期譲渡所得」、5年以下なら「短期譲渡所得」になります。
譲渡所得基本式
総収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額 = 譲渡所得
取得費とは、売った土地や建物を買った時の購入代金(建物の場合は原価償却費相当額控除後の金額)や購入手数料等の合計です。
ただし、この取得費が収入金額 => 譲渡価額の5%に満たない場合は、譲渡価額の5%相当額を取得費(概算取得費)として計算することができます。
譲渡費用は、仲介手数料や測量費、建物の取り壊し費用など、土地や建物を売るために使った費用のことです。
特別控除は0円から5,000万円まで、譲渡所得の内容に応じて適用されます。
居住用住宅(マイホーム)を売った時は、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できます。

6.所得税計算の実際

ではでは、所得税計算の手順と流れを勉強してみます。
(1)所得の損益通算
損益通算とは2種類以上の所得があり、例えば一つの所得が黒字、他の所得が赤字となった場合、その所得の黒字と赤字を一定の順序に従って差し引き計算を行うというものです。
10種類の所得を以下のように3つのグループに分類します。
■第一グループ -> 利子所得、配当所得、不動産所得事業所得、給与所得、雑所得 ・・・ 毎年のように発生
■第二グループ -> 譲渡所得、一時所得 ・・・ 何年かに一度発生
■第三グループ -> 退職所得、山林所得 ・・・ 何十年に一度発生
最初に第一グループ、第二グループのグループごとに計算します。(第一次通算)
このとき、もしどちらかに赤字が出ている場合は、この二つのグループ間で損益通算します。(第二次通算)
第二次通算をしてもなお赤字の場合は、山林所得、退職所得から差し引きます。(第三次通算)
※損益通算できる所得は、不動産所得事業所得譲渡所得山林所得の4つだけであり、赤字の所得ならどんな所得でも他の黒字の所得と通算できるというわけではありません。
例)
各種の所得金額が・・・・
  ・給与所得 : 560万円
  ・不動産所得 : 80万円の損失
  ・一時所得 : 70万円
  ・譲渡所得 : 90万円の損失
・・・・・・という場合、損失通算後の総所得金額は次のようになります。

(第一次通算)

  ・560万円(給与所得) - 80万円(不動産所得) = 480万円 (第一グループ)
  ・70万円(一時所得) - 90万円(譲渡所得) = -20万円 (第二グループ)

(第二次通算)

  ・480万円 - 20万円 = 460万円 (総所得金額)
損益通算をしてもなお控除しきれない損失の金額を「純損失の金額」といいます。
青色申告書( No.2070 青色申告制度 | 所得税 | 国税庁 )を提出した年に純損失の金額が発生した場合は、原則として納税者が確定申告の時に「損失申告書」(損益通算及び繰越損失額の控除を行う場合の申告書の記載要領 | 確定申告書の記載例 | 国税庁 )を提出することにより、翌年以降3年間繰り返して控除することができます。
(2)所得控除 ( 所得金額から差し引かれる金額(所得控除) | 所得税 | 国税庁 )
これまで、各種所得金額を算出し、損益通算して総所得金額を求める方法を見てきました。しかし、この総所得金額からすぐ税額を求めるわけではありません。
自分たち納税者には、扶養親族の人数、災害や病気といったその年ごとの事情など様々な事情があります。
こういった納税に影響するような個人的な事情を配慮するために設けられているのが「所得控除」です。
総所得金額から所得控除を差し引いた金額(課税総所得金額)に所得税率を乗じて算出税額を計算します。
さらに、一定の要件を満たすと、算出税額から住宅ローン等の税額控除を差し引くことができます。
この金額が納税すべき税額となります。

所得控除は14種類あり、人的控除と物的控除に分けられます。
■人的控除一覧表
創設年
(所得税)
対象者 控除額 本人の所得要件
基礎的な人的控除 基礎控除 昭和22年
(1947年)
  • 本人
38万円
配偶者控除 昭和36年
(1961年)
  • 生計を一にし、かつ、年間所得が38万円以下である配偶者(控除対象配偶者)を有する者
一般の控除対象配偶者 (昭和36年)
(1961年)
  • 年齢が70歳未満の控除対象配偶者を有する者
38万円
老人控除対象配偶者 昭和52年
(1977年)
  • 年齢が70歳以上の控除対象配偶者を有する者
48万円
配偶者特別控除 昭和62年               (1987年)
  • 生計を一にする年間所得が38万円を超え76万円未満である配偶者を有する者
最高38万円 年間所得1,000万円以下
扶養控除 昭和25年
(1950年)
  • 生計を一にし、かつ、年間所得が38万円以下である親族等(扶養親族)を有する者
一般の扶養親族 (昭和25年)
(1950年)
  • 年齢が16歳以上19歳未満又は23歳以上70歳未満の扶養親族を有する者
38万円
特定扶養親族 平成元年
(1989年)
  • 年齢が19歳以上23歳未満の扶養親族を有する者
63万円
老人扶養親族 昭和47年
(1972年)
  • 年齢が70歳以上の扶養親族を有する者
48万円
(同居老親等加算) 昭和54年
(1979年)
  • 直系尊属である老人扶養親族と同居を常況としている者
+10万円
特別な人的控除 障害者控除 昭和25年
(1950年)
  • 障害者である者
  • 障害者である控除対象配偶者又は扶養親族を有する者
27万円
(特別障害者控除) 昭和43年
(1968年)
  • 特別障害者である者
  • 特別障害者である控除対象配偶者又は扶養親族を有する者
40万円
(同居特別障害者控除) 昭和57年
(1982年)
  • 特別障害者である控除対象配偶者又は扶養親族と同居を常況としている者
75万円
寡婦控除 昭和26年
(1951年)
  1. 夫と死別した者
  2. 夫と死別又は離婚し、かつ、扶養親族等を有する者
27万円 1の場合
年間所得500万円以下
(特別寡婦加算) 平成元年
(1989年)
  • 寡婦で、扶養親族である子を有する者
+8万円 年間所得500万円以下
寡夫控除 昭和56年
(1981年)
  • 妻と死別又は離婚し、かつ、扶養親族である子を有する者
27万円 年間所得500万円以下
勤労学生控除 昭和26年
(1951年)
  • 本人が学校教育法に規定する学校の学生、生徒等である者
27万円 年間所得65万円以下かつ給与所得等以外が10万円以下
参考

 配偶者控除 : ( No.1191 配偶者控除 | 所得税 | 国税庁 )
        婚姻関係にある配偶者を有する場合に適用されます。
        配偶者の給与収入(年収)が「103万円」以下であれば控除を受けられます。
        「103万円」を超えると配偶者自身に所得税がかかり配偶者控除は受けられなくなります。

 配偶者特別控除 : ( No.1191 配偶者特別控除 | 所得税 | 国税庁 )
        計算式は「38万円 - (配偶者の合計所得金額 - 38万円)」で計算し、控除額は5万円きざみとなります。(リンク参照)
        つまり、配偶者の合計所得金額が「141万円未満」であれば、配偶者特別控除が受けられます。
        平成30年分以後の控除額は、控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額、及び配偶者の合計所得金額に応じて計算されます。
        (リンク参照)
 扶養控除 : ( No.1180 扶養控除 | 所得税 | 国税庁 )
        親族とは、納税者の「6親等内の血族と配偶者と3親等内の姻族」をいいます。配偶者は配偶者控除が認められているので扶養控除対象外です。
        バイト・パート等によって1年間の合計所得金額が「38万円」を超える場合は控除対象から外されます。
        具体的にはバイト・パート等で給与のみの場合では「103万円以下」の人が控除対象になります。

 障害者控除 : ( No.1160 障害者控除 | 所得税 | 国税庁 )
        「障害者控除の対象となる人の範囲」については、前記リンク参照
        納税者自身または控除対象配偶者、扶養親族に一定の障害があるときは、一人につき27万円(特別障害者は40万円)が障害者控除として控除されます。
        同居特別障害者の場合は障害者控除に35万円が上乗せされます。
        年少扶養親族には扶養控除はありませんが、例えば年少扶養親族が同居特別障害者に該当する場合は障害者控除75万円が適用されます。

 寡婦(かふ)控除 : ( No.1170 寡婦控除 | 所得税 | 国税庁 ) 寡夫控除 : ( No.1172 寡夫控除 | 所得税 | 国税庁 )
        「寡婦(寡夫)控除の対象となる人の範囲」については、前記リンク参照・・・ですが、簡単に書くと以下です。
        ★寡婦とは、老年者ではなく以下のいずれかに該当する人です。
         ・夫と死別または離婚し再婚していない、扶養親族のある女性(所得制限なし)
         ・夫と死別し再婚していない、合計所得金額が500万円以下の女性(扶養親族の要件なし)
        ☆寡夫とは、老年者ではなく以下の全てに該当する人です。
         ・妻と死別または離婚し再婚していない、扶養親族である子供を持つ男性
         ・合計所得金額が500万円以下

        納税者自身が寡婦または寡夫であるときは、27万円が寡婦(寡夫)控除として控除されます。
        合計所得金額が500万円以下で、扶養親族である子供がいる寡婦の場合は、控除額が35万円になります。

 勤労学生控除 : ( No.1175 勤労学生控除 | 所得税 | 国税庁 )
        納税者自身が勤労学生である場合は、勤労学生控除として「27万円」が控除されます。
        勤労学生の条件とか控除を受けるための手続きについてはリンク参照
■物的控除一覧
・雑損控除 : ( No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除) )
        地震や火災、風水害などの災害によって住宅や家財などに被害を受けた時にやむを得ない支出があった時
        盗難・横領などで損害を受けた時に所得税を軽減する措置です。
        控除の金額は次の二つのうちいずれか多い方の金額です。要件や条件、手続き詳細はリンク参照

        (1) (差引損失額)−(総所得金額等)×10%
        (2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)−5万円

         (注1)差引損失額=損害金額(時価)+災害関連支出の金額−保険金等の補てん金額
         (注2)「災害関連支出の金額」とは、災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額などです。

        また、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、所得金額から控除することができます。

・医療費控除 : ( 医療費を支払ったとき | 所得税 | 国税庁 ) ・・・・ これを起点に参照
        医療費控除とは、納税者本人やその配偶者、子供等が病気やケガによって医療費を支払った場合、実質負担額が原則として「10万円」を超えた時
        控除限度額は「200万円」となっています。式は次のとおり。

        医療費控除額 = (1年間に支払った医療費 - 保険金等で補てんされた金額) - 10万円(または、取得金額の5%のいずれか低い金額)

        ★保険金等で補てんされた金額

         ・生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など
         ・保険金などで補填される金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額
          が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。
「保険金などで補填される金額」は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。 保険や賠償金などで得たお金が、実際に支払った医療費を超えた場合には、給付金以上の金額を「保険金等で補填される金額」として差し引く必要はないということです。

例えば、1年間の合計の医療費が50万円になったとします。 そして、そのうちケガAに関する医療費が8万円で、 そのケガAに対する保険金として15万円を得たとします。 この場合「保険金等で補填される金額」として全体から15万円を差し引くのではなく、 給付の目的となったケガAの医療費8万円を限度として差し引くことになります。

総所得が200万円以上の場合の計算式

1年間で払った医療費 - 保険金等で補填される金額 - 10万円 = 医療費控除額
つまり、この場合は以下のように医療費控除額を算出します。

50万円 - 8万円 - 10万円 = 32万円

「保険金などで補填される金額」は少ないほど納税者にとっては有利です。 なので、ちゃんと「その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引く」というルールにもとづいて正しい計算をしましょう。
        病院で支払った全ての金額が控除の対象となるわけではありません。(ものによって医師の証明が要ります)
        例えば・・・・・
        ・健康診断の費用は異常が見つかって治療を受けることになった場合は控除の対象になるが、異常がない時は控除対象外です。
        ・歯科の治療は対象となるが、美容のための歯列矯正は対象外です。
        ・病気やケガの治療のために購入した薬品は対象ですが、疲労回復、病気予防のための購入は対象外です。

        医療費控除を受ける場合は、その支出を証明するための領収書が必要です。きちんと保管しておきましょう。
        医療費控除は年末調整では精算されないため、一般のサラリーマンが医療費控除を受ける場合には確定申告が必要になります。

        ※[平成29年4月1日現在法令等]セルフメディケーション税制が導入されました。
         ( No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】| 所得税 | 国税庁 )
・社会保険料控除 : ( No.1130 社会保険料控除 | 所得税 | 国税庁 )
        健康保険料、国民年金や厚生年金の保険料、共済組合の掛金、国民年金基金、雇用保険料などの社会保険料を支払った場合、その保険料の全額が社会保険料控除の対象となります。
        社会保険料の範囲、社会保険料控除の金額、社会保険料控除を受けるための手続については、リンクを参照
        健康保険料(介護保険料込)については、私の場合平成29年3月31日退職で会社の健康保険組合を任意継続しています。
        よって、平成29年分については、確定申告前に「任意継続保険料納付証明書」が送付されるとのことです。
・生命保険料控除 : ( No.1140 生命保険料控除 | 所得税 | 国税庁 )
        生命保険料控除は平成24年以降、その仕組みが変わりました。
◆新制度(平成24年1月1日以降の契約分)の場合
新制度を適用させる場合、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料、それぞれの適用限度額は最大で4万円となります(所得税の場合)。
住民税の場合はそれぞれ2万8千円と、所得税と住民税では控除額が異なります。
◆旧制度(平成23年12月31日までの契約分)の控除額
旧制度の場合は所得税の最大適用額が、一般生命保険料・個人年金保険料それぞれ5万円ずつです。
また住民税の場合はそれぞれの最大適用額が3万5千円となっています。
それぞれの中で改正前と改正後に契約が混在する場合の控除額は最大「40,000円」です。
個人年金保険契約については、以下の要件があります。
@年金の受取人は本人または配偶者であること。
A保険料の払い込みは10年以上の定期払いであること。
B年金の支払期間は本人が60歳になった以降10年以上にわたり定期で行うこと。
・損害保険料控除(平成19年(住民税は20年)から地震保険料控除となりました)
    経過措置として・・・平成18年12月までに締結され、保険期間が開始した長期損害保険料控除対象契約(保険期間10年以上の満期返
    戻金付き契約)は、原則として当該契約の満了までは、長期損害保険料控除が適用できます。
    控除限度額は所得税15,000円、住民税10,000円です。
    経過措置による長期損害保険料控除と地震保険料控除とを合算した控除限度額は、所得税50,000円、住民税25,000円です。

・地震保険料控除( No.1145 地震保険料控除 | 所得税 | 国税庁 )
    平成18年度税制改正で新設されました。
    これら伴って、従来の損害保険料控除制度は、一定の経過措置を残して廃止されました。
    地震保険料控除の対象となる保険料は地震保険料です。
    控除額は各年に支払った地震保険料の全額(50,000円が限度)、住民税は地震保険料の1/2(25,000円が限度)となります。
    詳細は上記リンク参照

・公的年金等控除( No.1600 公的年金等の課税関係 | 所得税 | 国税庁 )
    公的年金等は、年金の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて所得金額を計算します。
    この雑所得となる主な公的年金等は、次のものです。
     (1)国民年金法、厚生年金保険法、公務員等の共済組合法などの規定による年金
     (2)過去の勤務により会社などから支払われる年金
     (3)外国の法令に基づく保険又は共済に関する制度で(1)に掲げる法律の規定による社会保険又は共済制度に類するもの

    公的年金等からの源泉徴収、公的年金等に係る雑所得の金額の計算方法、申告手続等についてはリンク参照

・寄付金控除( No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除) | 所得税 | 国税庁 )
    個人が国や公共団体、特定公益増進法人などに、一定要件を満たす寄付を行った時は寄付金控除が受けられます。
    計算式
     (所得金額の40%または特定寄付金額の何れか少ない金額) - 2,000円

    寄附金控除の概要、特定寄附金の範囲、寄附金控除を受けるための手続等についてはリンク参照
    個人が特定の自治体に寄付をすると、自分が納める住民税の2割程度が所得税から還付、住民税から税額控除できる「ふるさと納税」についてはこちら参照

・小規模企業共済等掛金控除( No.1135 小規模企業共済等掛金控除 | 所得税 | 国税庁 )
    小規模企業共済とは、いわば個人事業主の退職金制度といえるものです。
    掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲内(500円単位)で自由に選択できます。
    支払った掛金全額が控除の対象となります。
    また、確定拠出型年金(個人型)の加入掛金も対象になります。
    小規模企業共済等掛金控除の対象となる掛金、控除を受けるための手続についてはリンク参照

7.源泉徴収票を見てみる

ここまで書いてきたなかで税額計算をするわけですが、かなり複雑な計算が要ります。
サラリーマンの場合は、こうした複雑な税額計算は勤務先(会社)が年末調整の時に行っています。
毎月の給与やボーナスの明細には所定の税額が天引きされています。この所定の金額は社会保険料控除後の給与の金額や扶養親族等の数によって変わってきます。これが「源泉徴収制度」です。
そして、給与やボーナスの支払いの際に源泉徴収した税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額とを比べて、年末調整によりその過不足額を精算します。
その明細票が「源泉徴収票」です。
支払金額 : 5,696,434円 -> 給与・賞与の合計額(年収)
給与所得控除後の金額 : 4,016,800円 -> 年収から給与所得控除(サラリーマンに認められている必要経費)を引いた額
所得控除の額の合計額 : 1,720,302円 -> 基礎控除や配偶者控除、社会保険料控除等を合計したもの。
源泉徴収税額(所得税) : 134,800円 -> H26年の所得税として源泉徴収された金額
社会保険料等の金額 : 833,215円
生命保険料控除額 : 120,000円
地震保険料控除額 : 7,087円
総所得金額にあたるのが「給与所得控除後の金額」です。
平成28年分 給与所得控除額表
給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超    3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超    6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超   10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超  12,000,000円以下 収入金額×5%+1,700,000円
12,000,000円超 2,300,000円(上限)
上の表から算出しますが、収入金額が「660万円未満」の場合は上表ではなく「所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)(e-Govへリンク)」により求めます。
ちょっと見づらいですが、前記リンク先ページにある左フレームずっと下に「別表第五」があります。
それに、給与等の金額範囲に伴う給与所得控除後の給与等の金額が記載されています。
課税総所得金額は「4,016,800円(給与所得控除後の金額) - 1,720,302円(所得控除の額の合計額) = 2,296,498円 となります。
※所得控除の額の合計額(1,720,302円)内訳

  基礎控除 : 380,000円
  配偶者控除 : 380,000円
  社会保険料控除 : 833,215円
  生命保険料控除 : 120,000円
  地震保険料控除 : 7,087円
最後に税額を速算表から計算すると・・・・
(平成27年分以降)
所得税の速算表(復興特別所得税を含む税率)
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5.105% 0円
195万円を超え 330万円以下 10.210% 99,548円
330万円を超え 695万円以下 20.420% 436,478円
695万円を超え 900万円以下 23.483% 649,356円
900万円を超え 1,800万円以下 33.693% 1,568,256円
1,800万円を超え4,000万円以下 40.840% 2,854,716円
4,000万円超 45.945% 4,896,716円
課税総所得金額 × 税率 (- 控除額) = 年税額

2,296,498円 × 10.210% - 99,548円 => 2,296,000円(1,000未満切捨て) × 10.210% - 99,548円 = 134,873.6円 = 134,800円(100円未満切捨て)

8.その他

(1)申告すれば税金が戻ることも・・・・。
所得税は、納税者本人が1年間の所得から税金を計算して翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告書を税務署に提出して税金を納める申告納税制度を原則としています。
 サラリーマンの場合、基本的には年末調整をするので確定申告の必要はありません。ただし、以下の場合は確定申告をする必要があります。

a.給与収入が「2,000万円」を超える人
b.退職金の支払を受ける時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかった人

また、確定申告の必要が無い人でも、源泉徴収で所得税を納め過ぎている次のような場合は、所得税の還付を受けるための確定申告をすれば納め過ぎた分の税金が戻ってきます。

a.住宅ローン控除が受けられる
b.多額の医療費がかかった時(医療費控除)
c.災害などで大きな損害を受けた時(雑所得控除または災害減免法による税額軽減)
d.所得が少なく、配当控除、原稿料などの雑所得がある時
e.年の途中で退職して再就職しなかったために年末調整を受けられなかった時

その他、納税者が死亡した時(相続人が申告)や出国する人は準確定申告をしなければなりません。
(2)確定申告をする場合の手続き
まず、最寄の税務署で確定申告書をもらいます。

a.申告書A様式

 サラリーマンで住宅ローン控除や医療費控除などを受ける人、中途退職者やパートをしている人、公的年金を受け取っている人です。

b.申告書B様式

 自営業者等

申告期間は翌年の2月16日から3月15日ですが、所得税の還付を受ける場合は、確定申告期間とは関係なく、その年の1月1日から5年間提出することができます。
郵送でも受け付けています。

所得税の確定申告をインターネットで電子申告(国税電子申告・納税システム)することもできます。
医療費の領収書や生命保険料控除の証明書添付などを省略できるメリットがあります。・・・が、利用に関しては事前に開始届出書を提出し登録する必要があります。
( 確定申告書などの様式・手引き | 平成28年分 | 国税庁 ) ・・・・ 毎年ある時期に更新されるのかな?
平成29年分の確定申告はインターネットで電子申告してみたいと思います。

税金は、税務署、郵便局、金融機関で確定申告書の提出期限までに納めなければなりません。
ただし、事前に振替納税の手続きをしておけば取引金融機関の口座から支払うことができます。この場合、口座引き落としは4月中旬なのでいくらか余裕をもって支払できます。

還付申告の時は、申告書提出から1〜2か月程度で指定の口座に振り込まれます。

間違って税金を多く支払ってとまった場合、確定申告書の提出期限後5年以内であれば、更生の請求をすることが可能です。
(3)年金受給者の確定申告不要制度( No.1600 公的年金等の課税関係 | 所得税 | 国税庁 -> 申告不要制度の記載あり)
年金受給者の申告手続き負担軽減のため、公的年金等の収入金額が400万円以下でかつ年金以外の所得が20万円以下の人に対しては確定申告不要制度が創設されています。ただし、源泉徴収の対象とならない公的年金等の支給を受ける人は適用できません。
また、公的年金等にかかる源泉徴収税額の計算には、控除対象とされる人的控除の範囲に寡婦(寡夫)控除が加えられています。
これらは、平成24年1月1日以降に支払われる公的年金等について適用されます。

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